エヴァネッセンス(後世に与えた影響)

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前回でのエヴァネッセンスを紹介はバイオグラフィーでした。
今回の記事はディスコゴラフィーなどを紹介していきたいと思います。

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①ディスコグラフィー

1)オリジナル・アルバム
2003年 フォールン
2006年 ザ・オープン・ドア
2011年 エヴァネッセンス

2)ライブ・アルバム
2004年 エニウエア・バッド・ホーム

②音楽的なルーツとその変遷

音楽的な出自はあくまで当時アメリカで台頭していた、コーンやスリップノット、リンキンパークなど所謂ヘヴーロックの一群でありました。
しかし、重いサウンドは共通しますが、上記のバンドが持つ攻撃性はさほどなく、むしろメランコリックなメロディーとエイミーの黒を基調としたファッションで、ゴシック・メタルとしても捉えられました。

アルバムごとの変遷では、ファーストアルバム「フォールン」はポップでキャッチーな曲が多く、「ブリング・ミー・トー・ライフ」「マイ・イモータル」、「ゴーイング・アンダー」などのヒット曲を飛ばしました。

続くセカンドアルバムの「ザ・オープン・ドア」は、前作と比べ、これといった曲はないものの、全体的に良曲揃いで、アルバムとしての完成度は前作を超えています。また、ビアノを生かしたメランコリックで哀愁が伴う曲も多く、一番ゴシックメタルにふさわしいアルバムといえますでしょう。
個人的にはこのアルバムが一番好きです。

セルフタイトルである、サードの「エヴァネッセンス」は新機軸をうちだそうとしたのか、新感覚の曲が多いような気がします。
とはいっても、重いサウンドにメランコリックなメロディーにエイミーのヴォーカルが乗るといった基本路線は変わっていません。

③ウイ・アー・ザ・フォールン

エヴァネッセンスの元メンバー、ベン・ムーディ、ジョン・ルコンプ、ロッキー・グレイを中心にマーティー・オブライエン、女性ヴォーカリストにはアメリカン・アイドルのファイナリストでもある、カーリー・スミスソンというメンバーで2009年に結成。
2010年にファースト・アルバムの「ティアー・ザ・ワールド・ダウン」を発表しました。

それにしても、このバンド名、「俺たちがフォールンだぜ」「名盤フォールンを作ったのは俺たちなんだぜ」とエイミーに対する対抗意識がメラメラだと思いませんか。

④エヴァネッセンスが後世に与えた影響

1)ゴシックメタルの認知度を上げた

90年代後半でヨーロッパで誕生したフィメール・ゴシック・メタルはヨーロッパでは次第に認知され00年代に入るとメジャーな音楽の一ジャンルとして定着しつつありました。
しかし、アメリカや日本ではそれほど認知されていなかった。
ロック音楽ビジネスの中心国アメリカでエヴァネッセンスがブレークすることにより、ゴシックメタルがアメリカ本国はもちろん、日本をはじめ全世界で注目される結果になりました。

2)アメリカにおける女性中心バンドの復権

70年代にハートフリートウッド・マックによってアメリカにおいて確立されました、女性中心のバンドが90年代になって低迷し、渇水状態とさえ言われるようになりました。
そのようななかにおいて、エヴァネッセンスのブレークにより、00年代以降、オルタナティブロック、HR/HMを中心に活性化され、オートマティック・ラブレター、ヘイルストーム、アゴニスト、イン・ディス・モーメントがデビユーして、活況を呈しています。

個人的には、こちらの功績の方が、ゴシックメタル関連のことより大きいと思います。

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⑤エヴァネッセンスはゴシックメタルか?

エヴァネッセンスはゴシックメタルにカテゴライズされることが多いですが、熱心なユーロピアン・フィメール・ゴシック・メタルのファンからは、「エヴァネッセンスがゴシック・メタル?ちがうだろう、楽曲はハートみたいだし、歌声なんかJ-POPじゃん。
いかにもアメリカの安っぽい売れ筋のポップ・ロックだよね、そんなのを、フィメールゴシックに入れないでくれよ」という声も多々ありました。私としても

1)エヴァネッセンスはアメリカ的なザクザクのギターリフが多い。
2)半面、ヨーロッパでみられる、オーケストレーション・アレンジやクラッシック音楽の要素がほとんどない。
3)ユーロピアン・フィメールゴシック・メタルでちらほら出てくる男性のデス声がない。
4)メロディはメランコリックながらもポップでキャッチーな要素が多い。

などのことから、ゴシックメタルにカテゴライズするのはどうかと思っています。便宜上はゴシックメタルに入れていますが。
そんなことより、本当に意味での女性中心バンドとして、70年代から80年代にかけて、ハートがシーンに対して行ってきた役割を、00年以降エヴァネッセンスが行っている、と思っています。


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