フリートウッド・マック、ハート、ブロンディ、プリテンダーズという、まさに女性中心バンドの元祖となるバンドについて書き終えましたので、その総括として思う所を書きます。
まず思いましたのは、やはり、女性中心バンド、女性ヴォーカルバンドの草分けであり、基本となるのは、やはりこの4大バンドだなと思いました。
確かに、全盛期も少しずつずれているし、音楽性も異なるが、4大バンドの共通点としては、以下の通りです。
①本当の意味での女性中心バンドであること
ここでいう本当の意味での女性中心バンドいうのは、その女性アーティストが、少なくても音楽的には作詞、作曲等でバンドに貢献し、更にバンドの人事的、政治的な面でも主導権を握っていることです。
フリートウッド・マックのスティーヴィーは、バンドの人事的、政治的な面での主導権こそとっていなかったが、他の男性メンバーと対等な立場で、ヴォーカルのみでなく作詞、作曲等でバンドに貢献していました。
ハートのウィルソン姉妹、ブロンディのデボラ・ハリー、プリテンダーズのクリッシー・ハインドは、音楽のみならず、バンドの人事的、政治的な面での主導権を取っていました。
最近では、女性ヴォーカルをフューチャーしたバンドが多数出てきていますが、本当の意味での女性中心バンドは意外と少ないと思います。
思いつく限りですと、アメリカのエヴァネッセンスやヘイルストームぐらいでしょうか?
あくまで、女性ヴォーカリストはそのバンドの顔ではあるが、音楽的にも政治的にもリーダーである男性が握っている場合が多いのが現実です。
例えば、ナイトウィッシュでターヤが解雇された、キサンドリアでリサが脱退したという話を聞くたびに、そのように思ってしまいます。
②バンドの中心となる女性アーティストはいずれも個性やカリスマ性がある
スティーヴィー・ニックス、ウィルソン姉妹、デボラ・ハリー、クリッシー・ハインド、いすれも、個性があり、またバンドを離れてもやっていけるぐらいのカリスマ性があります。
最近の、フィメールゴシック・シンフォックメタルの女性ヴォーカリストはあくまで、バンドの1パーツに過ぎないという考え方が多く、女性ヴォーカリストに求めるのはヴォーカリストとしてのスキルと精々容姿ぐらいで、カリスマ性まで求めていません。
近年、女性ヴォーカルをフューチャーしたバンドが多数出できましたが、なにかもの足りないという意見もちらほらありました。
なにが足りないのだろうか?やはり、上記のような女性ヴォーカリストの個性やカリスマ性だろうと思います。
近年で、カリスマ性のある女性ヴォーカリストといえば、ターヤ・トゥルネンやフロール・ヤンセンが思い浮かびます。
確かに、ヴォーカリストとしてのスキルは上だと思いますが、カリスマ性はウィルソン姉妹やクリッシーやデボラに及びません。
③バンドの中心となる女性アーティストのバンドへの拘り
特に、ウィルソン姉妹とクリッシー・ハインドはそのような所があります。
ハートのデビューの時、初めはアン・ウィルソンのみのソロでデビューという打診がありましたが、アンが「みんなと一緒じゃないと嫌だ」と言ったため、ハートとしてのデビューとなりました。
また、クリッシーも初めはソロでデビューという話もあったようですが、やはりバンドとしてデビューしたいとのことで、プリテンダーズとしてのデビューとなりました。
もし、彼女たちが、ソロとしてデビューしていたら、女性中心のバンドという形態は今後なかったかもしれません。
また、アン・ウィルソンのソロ・デビューが2007年の「ホープ・アンド・グローリー」、クリッシー・ハインドの2014年の「ストックホルム」と、実績や名声の割にかなり遅いです。
そのことでも、バンドへの拘りを感じさせます。