次は女性ロックアーティストの歴史を4回ぐらいに分けて説明したいと思います。
今回は60年代から70年代にかけてです。
①女性ロックアーティストの起源
女性ロックアーティストの起源は誰でしょうか?はやり、60年代後半に活躍したジャニス・ジョップリンとジェファーソン・エアプレインのグレーススリックでしょう。
両者とも共通なのは、R&Bやブルースをルーツしにている所で時代としては、67年のアメリカということもり、ヒッピー文化や、サイケデリック・ロックなどのドラックが大いに関係する背景でありました。
特に、ジャニスは、70年に27歳の若さで亡くなったこともあり、いまだに、伝説となっています。
彼女らの活躍により、女性にもロックに関する門戸を開けた功績は疑う余地がないと思います。
②プログレシッブ・ロックと女性ヴォーカル
70年代に入り、レッド・ツェッペリン、ディープ・パープルを中心とするハードロック勢と並行して、5大バンド(ピンク・フロイド、YES、キング・クリムゾンELP、ジェネシス)を中心としたプログレッシブ・ロックが出現しました。
プログレシッブ・ロックはクラッシック声楽やトラッドフォークをルーツとした要素もあるため、女性ヴォーカリストが活躍する下地がありました。
そのなかでも、アニー・ハズラム擁するルネッサンスやソーニャ・クリスティーナ擁するカーブド・エアは5大バンドに次ぐ人気と評価を博しました。
③女性ロッカーの登場
一方アメリカでは、73年に、デビュー前から女性ロッカーとして鍛えられた、スージー・クワトロがデビューして、瞬く間にスターダムにのし上りました。
また、それに続く、初の女性だけのバンド、ランナウエイズもデビューして女性だけのバンドも認知されるきかっけを作りました。
しかし、前述した、ジャニス・ジョップリンやグレース・スリックはブルースやR&Bを音楽ルーツにしたシンガーで、また、アニー・ハズラムやソーニャ・クリスティーナはクラッシック声楽やトラッドフォークをルーツとしたシンガーであり、バックの演奏がロック伴奏であっただけです。
また、スージー・クアトロやランナウイエズは歌だけでなく、演奏もこなすことから、女性ロッカーの走りといわれることもありますが、男性アーティストの模倣から出ることがなく、また作られた女性ロッカーでした。
④満を持してハート、スティーヴィー・ニックス登場
70年代も後半に入り、ウィルソン姉妹率いるハートがデビューしました。
また、もともとブルースバンドであったフリートウッド・マックにスティービー・ニックスが加入し、音楽性をアダルト・オリエンティッド・ロックにがらりと変え、アルバムの売り上げが飛躍的に伸びました。
私が思うに、ウィルソン姉妹とスティ-ヴィー・ニックスが本当の意味での女性アーティストの元祖といえます。
その条件としましては
1)少なくても音楽的には自立した存在です。
2)ある程度、自分のそのバンドに関しては主導権を持っていました。
3)男性アーティストの模倣でなく、女性らしさ、女性特有の感性を曲やサウンド・曲に反映させています。
あるハートのアルバムのライナーノーツで
1)男まさりより女性らしさ
2)色気より知性
という言葉がありましたが、まさにその短い言葉が、女性アーティストのあり方と端的に示していると思います。