前回は主にバイオグラフィーを紹介しましたが、今回は主にディスコグラフィーや音楽性の変遷などの話をしたいと思います。
①ディスコグイラフィー
1)アルバム
1997年 エンジェル・フォース・ファースト
1998年 オーシャンボーン
2000年 ウィッシュマスター
2002年 センチュリー・チャイルド
2004年 ワンス
2007年 ダーク・パッション・プレイ
2011年 イマジナリウム
2015年 エンドレス・フォームズ・モスト・ビューティフル
2)ミニ・アルバム
2011年 オーヴァー・ザ・ヒルズ・アンド・ファー・アウエイ
3)ライブ(CDもしくはDVD)
2001年 フロム・ウィッシュ・トー・エタニティ
2003年 エンド・オブ・イノセンス
2006年 エンド・オブ・アン・エラ
2009年 メイド・イン・ホンコン
2013年 ショータイム・ストーリータイム
2016年 ビークル・オブ・スピリット
** おすすめアルバム ***
おすすめのアルバムとして、最初に聞いて欲しいのは、なんといってもターヤ期の最後のアルバム、「ワンス」です。
曲構成も、疾走するメタルナンバー、メロディアスなバラード、シンフォニックな大曲などヴァライティに富んでいて、かつ適切なアレンジが施されているため、統一感があります。
この「ワンス」こそいまだにナイトウィッシュの最高傑作と思っています。
発表されてから十年以上たっていますが、いまだに色あせていません。
やはり、ナイトウィッシュにとってターヤの代わりはいないと実感させられます。
その次におすすめは、やはりターヤ期のウィッシュマスターです。
私は、このアルバムを初めに聴いてファンになりました。
重厚なシンフォニックがいま一つ苦手という人は、このアルバムから入っていった方がいいかと思います。
他のアルバムについて、ファーストのエンジェル・フォース・ファーストは素人くささがありますので、あまりお勧めできませんが、その他のアルバムはすべて良作、傑作揃いで85点はつけられます。
すべて聴いて見ても損はしないと思います。
②音楽的な変遷
デビュー時からサードのウィッシュマスターまでは、メロディック・スピード・メタルにターヤのオペラティックなヴォーカルが乗るという音楽性でした。
センチュリー・チャイルドから、重厚で荘厳なシンフォニック・メタルに進化しました。
そのサウンドが次のワンスで完成されました。
次のダーク・パッション・プレイでは、基本路線はワンスと変わらないものの、ヴォーカルがターヤからアネットに変わったことで、ややポップさを増しました。
次のイマジナリウムでは、リーダーのツォーマスを始め、メンバーが映画音楽を作りたいという雰囲気のなか、映画音楽的なアルバムとなり、メタル色がかなり後退しました。
もう。ナイトウィッシュは脱メタルしたとの噂もちらほら出ていました。
最新アルバムのエンドレス・フォームズ・モスト・ビューティフルは、フロールが加入したこともあり、これまでの集大成的な内容に落ち着いています。
③3人のヴォーカリストの比較
まず、初代ヴォーカリストのターヤは声楽オペラ出身で、フィンランドのクラッシック音楽の名門、シベリウス音楽院でクラッシック歌唱を専門に学んでいた。その経歴から、歌は神レベルにすごいです。
また新曲の楽譜を初見で、メンバーのイメージ通りに歌えるぐらいのレベルでした。
ナイトウィッシュのみならず、オペラティックな女性ヴォーカルのゴシック/シンフニック・メタルをメジャーな音楽の一ジャンルにしたのは、ターヤの功績だと思います。
3代目のフロールも声楽出身で、オペラティックな歌唱はもとより、メタル的なパワフルな歌唱、またささやくような歌唱も、オールマイティにできます。
フロールの歌唱のうまさは、アフター・フォーエヴァーの傑作「インビジブル・サークル」で堪能できます。
確かに、オペラティックな歌唱はターヤに一歩譲りますが、声量はターヤをしのいでおります。
かたや、2代目のアネットはどうでしょうか?オペラティックな歌唱でこそないものの、癖のない伸びやかな歌声です。
ただ、やはり彼女ではターヤの後任は荷が重すぎました。なにかとターヤと比較され、精神的につぶれていって脱退という悲しい結末となりました。
もともと、重厚なシンフォニックメタル向けの声でなく、メロディアスハードロックやポップス向きの声でした。
中堅のメロディアス・ハードロックのヴォーカリストに収まっていれば名ヴォーカリストになっていたかも知れませんね。
まあ、総合的に考えると、ターヤの後任者が務まるのはフロールしかいないってことでしょう。
** 今回はここまでですが、続編がまだあります。楽しみにしてください ***