今回は、2000年代の半ばで結成され、2012年頃まで活動していた、女性ヴォーリストの
ジュリエット・シムズ率いるバンド、オートマティック・ラブレターについて紹介します。
①はじめに
2011年に始めて、オートマティック・ラブレターのことを知りました。聴いて見ようと思いましたが、エモ・ロックの流れをくむということで、CD購入は躊躇していました。
2013年初めに「トゥルース・オア・デアー」を中古で入手できたので、早速聴いてみました。
思ったより、オーセンティックなロックで聴きやすかったです。ジュリエットの声はハスキーでパワルルなので、ジャニス。ジョップリンやアン・ウィルソンを連想させました。
また、最近になって、2012年に活動停止したことを知りました。
そこで、いまバンドはどのような状態なの?なぜ活動停止したの?ジュリエットは今なにをしているの?といろいろ調べていくうちに、当ブログでも紹介しようと思いました。
②バイオグラフィー
2007年(2005年という説もある)にジュリエット、トミーのシムズ兄妹を中心に、フロリダ州タンパにて結成されました。
翌2008年、EP「リカヴァー」でデビューしました。
続いて翌2009年、セルフ・タイトルEP「オートマチック・ラヴレター」をリリース。
しだいに、ジュリエットの美貌や歌唱力が話題となり、EPICからRCA、そしてSONYとメジャー・レーベルを移籍し、紆余曲折を経てついに2010年、アメリカ本国で念願のスタジオ・アルバムとなる「トゥルース・オア・デアー」をリリース。
プロデュースにジョシュ・エイブラハムを起用して話題になりました。アメリカ本国での人気を受け、日本でも2011年にリリースされました。
しかし、まもなくレーベルから切られ、インデーズ・レーベルから全編ヴォーカルとアコースティック・ギターのみの「The Kids Will Take Their Monsters On」をリリースしましたが、これが全く売れず、活動停止となりました。
それでは、なぜ活動停止となったのでしょうか?
初めは、ジュリエットがソロ活動に移行したため、バンドとしては活動停止となった、と思っていました。
ところが、「トゥルース・オア・デアー」をリリースした後ぐらいから、不満を持ったバックの男性メンバーが、次々脱退し、バンドとしては実質的に解散状態になっていて、ジュリエットとしてはソロ活動に移行せざるを得なかったのでは、と思います。
確かに、女性ヴォーカル、バックの演奏は男性というバンド形態だと、どうしても女性ヴォーカルに目がいきバックの男性メンバーは存在感が薄くなりがちです。
しかし、このバンドの場合、それが酷すぎます。
まず、「トゥルース・オア・デアー」のライナー・ノーツはジュリエットのことばかりで、男性メンバーは名前すら出てきていません。当然PVにも男性メンバーはできません。
多分、ジュリエットの意向でなく、レーベル側の移行でしょう。
また、EPIC時代には、レーベル側の意向でメンバーを替えられたそうです。
バックの男性メンバーがブチ切れて脱退するのも理解できます。
③ディスコグラフィー
2008年 「リカヴァー」EP
2009年 「オートマチック・ラヴレター」EP
2010年 「トゥルース・オア・デアー」 アルバム
2011年 「The Kids Will Take Their Monsters On」アルバム
④音楽性及びジュリエットの歌唱の特徴
最初はエモ・バンド(パンクの流れをくむ、エモーショナルな雰囲気を特徴とする現代ロックの一ジャンル)として紹介されていたため、オールド・ロックファンは後ずさりしてしまうかもしれません。
しかし、実際は(トゥルース・オア・デアーを聴いた限りにおいては)オーセンティックなアメリカン・ロックで、ジャニス・ジョップリンやハート、ジョーン・ジェットなどの流れをくんでいます。
ジュリエットの歌唱も、力強いハスキーボイスでまさにジャニス・ジョップリンやハートのアン・ウィルソンを連想させます。
しかし、ところどころで声が裏返ったりするところが少し気になりますが。
オールドロックファンでも、ジャニス・ジョップリンやハート、ジョーン・ジェットあたりが好きならおすすめです。
⑤解散後のジュリエットの活動
2012年にVOICEというオーディション番組に出演し、年に一度ぐらいでEPをリリースし、2016年にはアルバム「フロム・ザ・グレイブ」をリリース。同年にかねてからの恋人であったBlack Veil Bridesのアンディー・ビアーザックと結婚しました。
また、音楽活動のみでなく、女優やファション関連の仕事もやっているとのことです。