前回は、カーブド・エアのバイオグラフィーについて紹介しましたが、今回はディスコグラフィーとその他の事項について紹介していきます。
①ディスコグラフィー
1)オルジナル・スタジオ・アルバム
1970年 エア・コンディショニング
1971年 セカンド・アルバム
1972年 ファンタスマゴリア-ある幻想的な風景
1973年 エア・カット
1975年 ミッドナイト・ワイヤー
1976年 エアボーン
2008年 リボーン
2014年 ノース・スター
2)ライブ・アルバム
1975年 ライヴ
1995年 ライブ・アット・BBC
2000年 アライブ1990
3)その他
1990年 ラヴ・チャイルド 1973年録音のアウトテイク集
②おすすめアルバム
カーヴド・エアの70年代のアルバムは6枚で、そのうちのミッドナイト・ワイヤーとエアボーンはシングルヒット指向のポップサウンドなので、除外し、ファーストからエアカットまでの4枚のアルバムで話を進めていこうと思います。
しかし、厄介なことに、その4枚の内、どれが最高傑作かというのは人によってかなり異なります。
ここでは、一般的な最高傑作は、サードのファンタスマゴリアで時点でエアカット、そして、ファースト、セカンドの順になっています。
次に私個人のおすすめですが、断然エアカットです。
ファンタスマゴリアまでの実験的な要素はあまりありませんが、エディ・ジョプソンが参加しているだけあって、曲も演奏も最高です。
また、実験音楽臭くなく、ハードロックよりなので、聴きやすいかと思いますね。
このような理由で、カーブド・エアを聴いたことが無い人にまず勧めるのがエアカットです。
次にすすめるのが、セカンドアルバムですね。
前半は、ヤング・マザーやバック・ストリート・ラヴのような、聴きやすい曲で、ラストのピース・オブ・マインドはプログレらしい長尺曲で私は好きです。
そのあとで、ファンタスマゴリアやエア・コンディショニングを聴いて見てはどうでしょうか?
③カーブド・エアの音楽的な特徴とその変遷
カーブド・エアはクラシカル・プログレ、シンフォニック・プログレの範疇に含まれますが、イエスやルネッサンスなどの端正な様式美と比べ、かなり実験音楽色が強いです。
例えば、エア・コンディショニングにあるヴィヴァリディという曲は、ダリル・ウエイのヴァイオリンソロをフィーチャーした実験色の強い曲です。
その路線は、サードのファンタスマゴリアまでで、大規模なメンバーチェンジ後のエア・カットはより普遍的なハードロック色のプログレとなっていきます。
今度、また大きなメンバーチャンジをして、サウンドもポップになりました。
④ソーニャ・クリスティーナについて
まず、ヴォーカリストとしては、特に声域が広いわけでもなく、声量があるわけでもなく、歌唱力も突出しているわけではありません。
にも拘わらず、デビュー時に注目されたのは、小悪魔的な魅力と美貌のおかげでしょう。
しかし、デビューして、何年もたつうちに、母性的で優しい歌い方もし、ライブではパワフルなシャウトもできるように、表現の幅が広がりました。
生活や履歴の面では、優等生なお嬢さんであったアニー・ハズラムと対照的に、もともとヒッピー崩れで、未婚の母となっています。バック・ストリート・ラヴやヤング・マザー、ラヴチャイルドという曲名からもそのことがうかがえます。
優等生なお嬢さんのアニー、小悪魔的なあばずれであったソーニャ、そのコントラストが根強い人気の要因の一つだと思います。
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