今回は、今一部で話題になっている色物系ガールズロックバンド、キノコホテルを紹介してみたいと思います。
①初めに
つい最近、ある有名レビューサイトでキノコホテルのことを知りました。なんとなく、そのサイトがメインで取り扱ってる、メロディックメタル、シンフォニックメタル、ゴシックメタル、プログレシッブロックではないな、と思いました。
それにもかかわらず、取り上げているということは、よほど面白く魅力的なバンドなんだろうか?それよりも、私には色物系のバンドなのではと、感じられました。
女性ロック研究家の私としては、巷で話題になっている女性バンドなら聴いてみようと思いまして、セカンドアルバムの「マリアンヌの恍惚」を購入しました。
メンバーのいで立ちをみて、色物バンドの臭いがぷんぷん。実際に1曲目のキノコホテル唱歌Ⅱを聴いて、歌詞がもろ色物でした。
あやしい四人の女が手ぐすね引いて待っている
今夜の獲物はどれにしよう
無駄な抵抗およしなさい
また、やたら喘ぎ声が登場します。
ここまでくると、ある種、徹底した女性エロスの世界、また統一した世界観に脱帽です。
そこで、サードから5枚目まで聴いて、新譜がでたタイミングでこのブログで紹介しようと思った次第です。
②バイオグラフィー
1)創業(結成)~メジャーデビューまで
2007年に、キノコホテルがマリアンヌ東雲を支配人として創業(結成)され、初めての実演会(ライブ)を行います。
2008年12月にマリアンヌ東雲、イザベル=ケメ鴨川、エマニュエル小湊、ファビエンヌ猪苗代のメンバー構成になりました。
ライブハウスでの単独実演会も行われ、またザ・パプニング・フォーやザ・ガリバーズなどの60年代GSやムッシュかまやつとの共演もはたしました。
その独特のいで立ちなどにより、メジャーデビュー前からかなり注目されていました。
2)メジャーデビュー~メンバーチェンジ
2010年2月にファーストアルバム「マリアンヌの憂鬱」で徳間ジャパンコミュニケーションよりメジャーデビューしました。
同年3月、NHKの「MUSIC JAPAN」に出演し、これが始めてのTV出演となります。
また同年10月東名阪ツアー「秋の人間狩り」を敢行しました。
2012年12月レーベルをヤマハミュージックコミュニケーションズに移し、サードアルバム「マリアンヌの誘惑」を発表するも、エマニュエル小湊が退職(脱退)しました。
3)メンバーチェンジ~創業10周年
それから間もなく、ジュリエッタ霧島が入社(加入)しました。
2014年7月、FUJI ROCK FESTIVAL 2014の前夜祭に出演し、マリアンヌがステージで放った「あんた達、どこにテント張ってんのよ?」の一言がこの年のフジロック名言第一位(公式)に選ばれました。
2016年、レーベルをキングレコードに移し、5作目のアルバム「マリアンヌの革命」を発表しました。
2017年は創業10周年を記念し、総括としての再録盤「プレイガール大魔境」を発表し(6作目のアルバムとして位置付け)、活動に区切りを付けました。
4)創業10周年~現在
2017年6月24日赤坂BLITZで行われた実演会を収録した「飼い慣らされない女たち〜実況録音盤」を2018年1月に発表しました。
2019年6月26日に7作目である「マリアンヌの奥儀」を発表し、現在に至っています。
③メンバー紹介
マリアンヌ東雲(キノコホテルの支配人であり創始者 歌と電気オルガン担当)
イザベル=ケメ鴨川(電気ギター担当 2008年秋採用)
ジュリエッタ霧島(電気ベース担当 2012年12月採用)
ファビエンヌ猪苗代(ドラムス担当 2008年12月採用)
④ディスコグラフィー
1)フルアルバム
2010年 マリアンヌの憂鬱
2011年 マリアンヌの恍惚
2012年 マリアンヌの誘惑
2014年 マリアンヌの呪縛
2016年 マリアンヌの革命
2017年 プレイガール大魔境
2019年 マリアンヌの奥儀
2)ミニアルバム他
2010年 マリアンヌの休日(ファーストミニアルバム 歌謡曲のカバー)
2010年 クラダ・シ・キノコ(デビュー前に録音した音源を、蔵出しの形でリリース)
2013年 マリアンヌの逆襲(セカンドミニアルバム 歌謡曲のカバー)
2015年 マリアンヌの追憶(ライブ会場や通販限定商品)
2017年 マリアンヌの閨房(ライブ会場や通販限定商品)
3)実演会(ライブ)アルバム
2009年 サロン・ド・キノコ〜実況録音盤(インデーズ時代に発表)
2018年 飼い慣らされない女たち〜実況録音盤
⑤音楽性の特徴及びその変遷
昭和の歌謡曲、ドアーズを連想させるサイケデリック・ロック、70年代初めのガレージ・ロック、また60年代日本のグループサウンズをベースとして、更にプログレッシヴ・ロック、パンク・ニューウエイヴ、ボサノバなどの音楽を加味した独自の音楽性であり、中毒性も高いです。
(ファーストのマリアンヌの憂鬱が未聴のため断定はできませんが)セカンドの「マリアンヌの恍惚」までは、歌謡曲、サイケデリック・ロック、カレージ・ロック、GSをベースにした
音楽で、ドアーズのレイ・マンザレクのような電子オルガンサウンド、骨太なリズムセクションがメインでした。
サードの「マリアンヌの誘惑」あたりから、音楽性の幅が広がりプログレッシヴ・ロック、パンク・ニューウエイヴの要素が加味され、「マリアンヌの呪縛」「マリアンヌの革命」と進むにつれ、それが顕著になってきます。
新譜である「マリアンヌの奥儀」は新境地ということで、ポップでスタイリッシュでスマートな音作りとなっています。
⑥おすすめアルバム
上記のことから、キノコホテルを始めて聴く初心者におすすめできるのは、ポップでスタイリッシュな「マリアンヌの奥儀」です。
またキノコホテルの音楽性を知りたいという方はプリミティブな「マリアンヌの恍惚」でしょう。
その他のアルバムは上記を聴いた後で聴くのがよいでしょう。