今年の2月に、ウィズイン・テンプテーションとしては、4年半ぶりのオリジナルアルバム「レジスト」が発表されました。
今回は、このアルバムについて語っていきたいと思います。
①ウィズイン・テンプテーションの近況
「レジスト」の内容について言及するまえに、前作「ハイドラ」を発表した4年半前から
現在までの経緯を書いてみようと思います。
前作「ハイドラ」を発表後、大規模なツアーを行い、アルバムチャートも、母国のナショナル・チャートで首位に輝いたほか、全英6位、全米16位、日本でも22位にランクインするほどの業績を残しました。
しかし、この「ハイドラ」の圧倒的な完成度の高さや達成感が原因で、バンド全体(特にシャロンが)燃え尽き症候群の状況に陥りました。
作曲しようにも、インスピレーションが沸いてこない状況となり、しばらく休養。その後、シャロンはソロ・プロジェクトのマイ・インディゴを始動しました。
バンドとは異なるエレポップやAORのような音に乗せて清らかな歌唱を披露しました。
その過程で、シャロンは燃え尽き症候群から立ちなおり、2018年より、アルバム制作に取り掛かり、2019年2月に発表の運びとなりました。
②「レジスト」の曲目紹介
前作「ハイドラ」でもターヤ(元ナイトウィッシュ)やハワード・ジョーンズ(元キルスウィッチ・エンゲイジ)、などの豪華なゲスト陣を招き入れました。
今回もパパ・ローチのジャコビー・シャディックス、イン・フレイムスのアンダース・フリーデン、アリッドやギルト・マシーンで活躍しているベルギーのジャスパー・ステヴァーリンクなどを迎えています。
それでは、曲目を紹介して行きましょう。
1. The Reckoning
先行シングルで、パパ・ローチのジャコビー・シャディックスがゲストで参加
2. Endless War
3. Raise Your Banner
イン・フレイムスのアンダース・フリーデンがゲストで参加
4. Supernova
5. Holy Ground
6. In Vain
7. Firelight
ジャスパー・ステヴァーリンクがゲストで参加
8. Mad World
9. Mercy Mirror
10. Trophy Hunter
③「レジスト」の全体的な印象
この新譜を始めて聴いた時の印象は、「うーん、これはこれでいいのかもしれないが、なにかピントこないな」という感じでした。
確かに曲のクオリティも上々で、捨て曲がない。Mad WorldやSupernovaのようないい曲
も入っています。しかし、やはりはいりこめないのだ。なぜだろうか?
やはり、この作品がアメリカン・マーケットを意識しすぎているかだと思います。
確かに、4作目の「ハート・オブ・エブリシング」からヨーロピアン・ゴシックメタルから
アメリカマーケットを意識した普遍的なロックへの移行の兆候がみられました。
5作目の「アンフォーギヴン」や前作の「ハイドラ」もそれをおしすすめてられてはいたが
まだ、ヨーロッパ的な部分が残されていました。しかし、この「レジスト」では完全にヨーロッパ的な部分が払拭された感じです。
まあ、ウィズイン・テンプテーションが大物になりすぎて、私がついていけてないだけかもしれませんが。
それと、個人的には、このバンドにはゲストの男性ヴォーカルは不要だと思います。
シャロン一人の歌声を生かしたほうがいいと思います。